「マンションの床の騒音対策はどうしたらいいの?」のページで、床の騒音に関する基本的な知識を紹介しました。
床の騒音がなぜ他の騒音に比べて問題になりやすいのか?床の衝撃音にはどんな種類があるのか?がわかっていただけたと思います。
それでは、軽量床衝撃音と重量床衝撃音の対処法について、それぞれ見ていきましょう。
軽量床衝撃音の対処法
高くて軽い音である軽量床衝撃音の対策としては、柔らかい素材、クッション材でできているものを床に敷くことが有効です。
畳の部屋であれば軽量床衝撃音の対策はほぼ不要ですが、フローリングでは軽いものを落としただけでもよく響いてしまうので対策が必要です。
具体的な対策としては、コルクマットや遮音カーペットを敷くという方法があります。
防音カーペットを敷く
防音カーペットは防音を目的としたカーペットで、通常のカーペットよりも厚くつくられています。
タグタイプのものやタイルタイプのものなど、様々な種類があり、デザイン的にも優れているものが多いです。
防音性能という点で見ると、できるだけ分厚いものを選ぶと良いでしょう。
さらに防音効果を高めるために、後述するコルクマットの上に敷くという方法もあります。
コルクマットを敷く
コルクマットはその名の通り、コルクでつくられた柔らかくて厚みのあるマットです。
重さや衝撃を分散し、音を和らげる効果があります。
ものにもよりますが、一般的な防音カーペットよりも厚さがあり、その分重さや音を吸収する効率が良いです。
防音カーペットやコルクマットはあくまでも音を吸収する「吸音」であって、音を遮る「遮音」ではないので、完全に無音になるわけではありません。
ですが、フローリングとの防音性の差は歴然です。軽いものを落としたり子供が歩く足音程度であれば、かなりの改善効果が見込めます。
また、子供がこけてしまった時なども防音カーペットやコルクマットなら衝撃を和らげることができるので、怪我の予防にもなります。
重量床衝撃音の対処法
床スラブが厚いマンションを選ぶ
足音や床に重いものを落としたときの音である重量床衝撃音は、軽量床衝撃音の対策のように床の表面を柔らかくするだけでは対処できません。
重量床衝撃音の大きさは、床板そのものの厚さによって決まります。マンションでは床板のことを「床スラブ」と呼びます。
よって、重量床衝撃音の対策としては「床スラブが厚いマンションを選ぶ」ということに尽きます。
目安としては、床スラブの厚さが200mmの物件を選ぶと良いでしょう。古いマンションだと薄い床スラブの場合もあるので、チェックしておきましょう。
床スラブが薄いマンションでは、コルクマットや遮音カーペットを敷いても重量床衝撃音の対策としては不十分なのです。
防音カーペットやコルクマットを敷く
では、床の薄いマンションを選んでしまった人が重量床衝撃音の対策をするには、床の厚いマンションに引っ越しをするしかないのでしょうか。
じつは、先ほどのコルクマットや防音カーペットでも、まったく効果がないわけではなく、多少の軽減は見込める場合があります。
軽量床衝撃音のための対策をすることで、重量床衝撃音も少しはマシになるということです。ですが、あくまでも「おまけ程度」と考えておくべきでしょう。
また、最近では重量床衝撃音にも効果のある遮音カーペットや遮音マットなども販売されています。
歩き方を変える
騒音の原因が大人の足音である場合は、歩き方を変えることで改善できます。
大人の足音がドンドンと響くのは、かかとから着地する歩き方をしているせいです。かかとに重心がかかり、その衝撃が床に伝わっているのです。
これを治すには、つま先から踏み込むように意識すると良いでしょう。騒音に関係なく、つま先から踏み込むのが正しい歩き方とされていますので、健康のためにもなって一石二鳥ではないでしょうか。
スリッパを履く
歩き方を変えることと併せて、スリッパを履くことでも衝撃音を和らげることができます。
ただし、パタパタと音がなるスリッパでは、その音が騒音になる可能性もあるので注意しましょう。
また、スリッパを履いてもかかとから着地する歩き方や床に擦り付ける歩き方をしていては、それも騒音の原因になってしまいます。
まとめ
- 軽量床衝撃音の対策は、柔らかい素材でできたものを敷くと良い
- 重量床衝撃音の対策は、床スラブの厚いマンションを選ぶことに尽きる
- 軽量床衝撃音の対策でも、重量床衝撃音に少しは効く
- 歩き方の工夫やスリッパを履くことで重量床衝撃音を緩和できる
軽量床衝撃音と重量床衝撃音とでは騒音の特性が異なり、それぞれふさわしい対策法を選ぶことが大事です。
とはいえ、防音カーペットやコルクマットなどの軽量床衝撃音用の対策をすることによって重量床衝撃音にも多少の改善効果は期待できるので、厳密に切り分けることなくとりあえず軽量床衝撃音の対策をとってみてはいかがでしょうか。
また、これからマンションを探そうと考えている方は、是非床スラブの厚さをチェックして遮音性能が高い物件を選ぶようにしてみてください。