何度も何度も叩きつけられる、身に覚えのない騒音の苦情。
音を立てないように細心の注意を払って静かに生活しているのに、それでもまだ苦情を言われ続ける。もう対策のしようがなく、どうすることもできなくて困っている人もいるのではないでしょうか。
「本当に音が響いているの?」
「他の住居の音じゃないの?」
「常識がないと思われていそうで辛い・・・」
また、恐喝まがいに夜中に怒鳴り込まれて恐怖に怯えている人もいるでしょう。
これらの度を超えた苦情に対して、どう対処すれば良いのでしょうか。
管理会社に相談する
管理会社には、マンションの住民の快適な生活を守る責務があります。
騒音自体も快適な住環境を脅かす要因ではありますが、騒音に対するしつこい苦情や執拗な嫌がらせもまた、管理会社が解決すべき大きな問題です。
何度も何度もしつこく苦情を入れてくる人や、夜中に何度もインターホンを鳴らす人、大声で怒鳴ってくる人など、あまりにも苦情の入れ方が非常識である場合は、管理会社に相談してみましょう。
また、恐喝まがいの苦情を入れられるなどの身の危険を感じるような場合も、遠慮せずに管理会社に相談してみましょう。
別の住居の騒音の可能性
あまりにも身に覚えのない苦情を言われて困っている人もいるでしょう。
たとえば、子供がいないのに下階の住民から「子供の走り回る音がうるさい」と言われたり、家を空けている時間帯の騒音を指摘されるといったようなケースです。
まったく身に覚えのない苦情に対して、どうすることもできませんよね。何度も何度も、同じ苦情をよこされて参ってしまうでしょう。
一体、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
マンションは複雑な音の伝わり方をする
実はマンションは複雑な音の伝わり方がするため、予想外の住居からの音が騒音として伝わってしまうのです。
実際に二階上の住居の足音が天井から聞こえたり、下の階のピアノの音が隣の壁から聞こえたりといった事例が、多数報告されています。
つまり、あなたが出していると思われている音が、実は他の住居の音という可能性があるのです。
苦情主に理解してもらう
苦情を言っている人も、悪気があるわけではありません。上から音が聞こえたら、上の住人が出していると思うのは当然ですよね。
ですから、マンションの音の伝わり方の特性を説明し、他の住居の音かもしれないということを理解してもらってはいかがでしょうか。
管理会社に相談し、周辺の住 人の協力を仰ぎ、音の発生源を突き止める活動をおこなってもらうと良いでしょう。
発生源を特定することは簡単なことではないかも知れませんが、「自分が騒音を出しているのではない」という可能性を苦情主に理解してもらうだけでも価値があるはずです。
容疑が晴れるだけでも精神的に楽になれますよね。
マンションの音の伝わり方の詳細については、こちらのページをご覧ください。
思っているよりも音が響いている可能性
騒音の苦情に対して、「うちのマンションは鉄筋コンクリートだから他の住居に音が響くわけがない」と思っている人もいるのではないでしょうか。
たしかに木造のアパートなどに比べると音は響きにくいですが、鉄筋コンクリート造のマンションでも、中にはよく音が響くものもあります。
自分が思っている以上に、音が伝わってしまっている可能性も無視できません。
音の響きやすさは、以下の要因に左右されます。
壁や床の厚さ
いくら鉄筋コンリートで作られていても、壁が薄ければ音は響きやすくなります。
「マンション」と名前がついているものは、最低でも150mmの壁の厚さになっていますが、防音面で安心できるのは200mmの厚さです。
壁や床の素材
鉄筋コンクリート造だからといって、全てがコンクリートで作られているわけではありません。
柱はコンクリートでも、壁や床がパネルでつくられているものもあり、その場合は音がよく響きます。
壁を拳でコンコンと叩いてみるとよくわかりますが、パネルでできている壁は残響があるはずです。
間取り
壁が薄かったり素材に遮音性がない場合でも、間取りによっては音は響きにくくなります。
たとえば、隣の住居との間にトイレや風呂がある場合です。音までの距離が遠くなるので、多少は軽減されます。
逆に、部屋同士が隣接している場合は音が目立ちやすくなります。特に寝室同士が隣接している場合は、夜間の小さな音でも響いてしまう可能性が高くなります。
まとめ
- 非常識な苦情は管理会社に相談する
- 別の住居の騒音である可能性がある
- 思っているより音が響いている可能性がある
非常識な苦情の入れ方をされたり身に覚えのない苦情を言われて困っているなら、まずは管理会社に相談してみましょう。
他の住居の音を勘違いされているのかも知れませんし、相手が神経質すぎるだけかも知れません。
いずれにしても、当事者同士で原因を究明して問題解決をするのは困難です。感情的になって争ってしまい、問題をさらに悪化させる危険性があります。
遠慮せずに管理会社に相談し、第三者の目で的確に原因を突き止めてもらい、対処してもらいましょう。